配偶者ビザ更新の身元保証人を配偶者以外に頼めますか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO) / 公開 / 最終更新
答え
配偶者以外の方を身元保証人にすると、婚姻の実態がないと判断され、不許可となる可能性が高くなります。身元保証書は、お金の保証ではなく婚姻の実態を確かめるための書類だからです。離婚調停中やDV避難など、客観的な証拠で説明できる事情がある場合に限り、例外的に認められることがあります。
どのようなご相談ですか?
夫婦関係が悪化し、配偶者から身元保証書への署名を断られている方からのご相談です。
- 相談種別:日本人の配偶者等
- 申請種別:在留期間更新許可申請
- 状況:カナダ国籍のご相談者様。日本人配偶者との夫婦関係が悪化し、離婚協議や別居の可能性がある状態。まもなく在留期間の更新期限を迎えるが、配偶者から更新手続きへの協力と身元保証書への署名・捺印を拒まれている。
- ご質問:配偶者の代わりに、日本人配偶者の両親(義父母)や、勤務先の上司・社長に身元保証人になってもらうことはできますか。
配偶者以外の方を身元保証人にできますか?
書類として提出することはできますが、不許可となる可能性が高くなります。
「夫婦仲が悪いから」という理由だけで、配偶者の親や勤務先の社長の身元保証書を提出した場合、婚姻の実態がない(形だけの結婚、またはすでに破綻している)と判断され、不許可になる可能性が高いのが実情です。
誰を代わりに立てるかにかかわらず、「配偶者が身元保証人になっていない」という事実そのものが、審査上の大きなマイナス要因になります。
なぜ身元保証人が配偶者以外だと疑われるのですか?
身元保証書は、お金の保証ではなく婚姻の実態を確かめるための書類だからです。
地方出入国在留管理局が「日本人の配偶者等」の更新で身元保証書を求めるのは、単に経済的な保証を求めているからではありません。「配偶者が身元を保証する=私たちは今も夫婦として協力して暮らしています」という、婚姻の実態(同居・相互扶助)を確かめるための証明として位置づけられているためです。
義父母を保証人にした場合
一見すると問題がないように思えますが、「肝心の配偶者が保証を拒否しているのではないか」「夫婦関係はすでに冷え切っていて、親が形だけ助けているのではないか」という疑念が生じやすくなります。
勤務先の社長・上司を保証人にした場合
会社が保証してくれるなら安心だろうと思われがちですが、これは就労の在留資格の考え方です。「日本人の配偶者等」の審査で勤務先の上司が保証人になっていると、配偶者とは別居しており経済的な関係も途切れているとみなされ、婚姻の真正性の審査において大きなマイナス要因となります。
例外的に認められる場合はありますか?
配偶者の協力を得られないことに合理的な理由があり、それを客観的な証拠で示せる場合に限られます。
- 裁判所で正式に争っている(離婚調停中・裁判中)
すでに家庭裁判所で離婚調停や裁判が始まっており、法律上の決着がつくまでの間、日本での滞在を続ける必要がある場合。裁判所からの期日通知書や調停申立書の控えを提出することで、一時的な在留(6ヶ月など)が認められることがあります。
- 配偶者からのDV(家庭内暴力)で避難している
配偶者から暴力を受け、警察や配偶者暴力相談支援センター(シェルター)等に保護されている場合。配偶者に会うこと自体が危険であるため、配偶者以外の方が保証人となることが例外的に認められます。公的な保護証明書や警察への相談実績が必要です。
いずれの場合も、状況によっては「定住者」への在留資格変更を検討するよう促されることがあります。
今、どのような選択肢がありますか?
義父母や社長に頼る前に、次の3つの道を検討してください。
選択肢A:配偶者と話し合い、今回の更新だけ署名をもらう
まだ離婚届を出しておらず、関係修復の余地が残っているのであれば、今回の更新について配偶者の協力を取り付けるのが、最も確実で安全な方法です。
選択肢B:正式な離婚調停や弁護士の関与により、証拠を整えて申請する
完全に破綻しており、配偶者が署名しないのであれば、弁護士に依頼するか家庭裁判所に離婚調停を申し立て、調停中であることの証拠と、詳細な事情説明書(上申書)をあわせて提出することになります。不許可のリスクは残ります。
選択肢C:他の在留資格への変更を検討する
大学を卒業されていて、現在の勤務先で専門的な業務に就いているのであれば、「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格変更許可申請を検討したほうが、確実に日本に残れる場合があります。
別居や不仲を隠して申請してもよいですか?
隠して申請することは虚偽申請にあたり、より重い結果を招きます。
「他の誰かに名前を書いてもらえばわからないだろう」と考えて別居や不仲を隠して申請することは、虚偽申請となり、将来にわたって日本に在留できなくなる結果を招きかねません。
現在の夫婦関係が修復できる可能性のあるものなのか、それとも法的な離婚手続きに進む段階なのかによって、取るべき方針は大きく変わります。手遅れになる前に、現在の状況を客観的に整理し、必要であれば早めに行政書士や弁護士などの専門家にご相談ください。
よくあるご質問
義父母に身元保証人になってもらえば更新できますか。
書類として提出することはできますが、配偶者が保証人になっていないこと自体が疑義を招き、不許可となる可能性が高くなります。義父母が応援していても、肝心の配偶者が保証を拒んでいるのではないかと受け止められやすいためです。
配偶者以外の身元保証人が認められる場合はありますか。
家庭裁判所で離婚調停や裁判が始まっている場合と、配偶者からのDVで公的機関に保護されている場合です。いずれも期日通知書や保護証明書など、客観的な証拠を提出できることが前提となります。
配偶者ビザの更新が難しい場合、他に方法はありますか。
大学を卒業されていて専門的な業務に就いている場合は、「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格変更許可申請を検討する方法があります。また、状況によっては「定住者」への変更を促されることもあります。
別居していることを申告せずに申請してもよいですか。
いけません。別居や不仲を隠して申請することは虚偽申請にあたり、将来にわたって日本に在留できなくなる結果を招きかねません。
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